国際基督教大学(ICU)の大学院
ICU(国際基督教大学)の大学院は他の大学と同じく、修士が2年、博士が3年のプログラムで開設されています。
修士(博士前期)過程では専攻が5つに分かれており、学生は「心理・教育学」、「公共政策・社会研究」「比較文化」「理学」の四つの研究科に分かれて学習していく事になります。
博士課程では学生は「アーツサイエンス研究科」という一つの科に所属し、7つの専攻に分かれます。
入学の時期は4月と9月の2回用意されています。
これはICUの大学院の入学志望者が世界各国から集まっており、これに対応するためです。
入学選考においては、書類選考と面接試験で選抜されます。
書類選考では複数の審査員が提出書類の精査を行い、一定以上の学習研究能力をもつと判断される志願者を一次試験の合格者としています。
またこの際、語学力の証明としてTOEFL、IELTSまたはTOEICのスコアを郵送しなければいけません。
スコアの基準は決まっていませんが、ICUでは英語での授業、また英語での論文執筆が求められるので、より高いスコアを取っておいた方が有利なのは間違いありません(TOEFL iBTで80点は欲しいところ)。
面接試験では、専門分野または近接分野を担当する複数の面接員による時間をかけて話し合います。
この際、担当教官が英語圏の人になると英語での面接となりますので、ICUの院に入学したいのならばスピーキング力もしっかりと鍛えておいてください。
また、海外に住んでいる志願者に対してはスカイプでの面接も用意されているようです。
ICUの大学院に入学する方は非常にバックグラウンドが多彩です。
企業に何年か勤めて専門を深めたいという方、定年後にもう一度勉強したいと入学する方、海外に長期で住んでいた方など、たくさんのアイデンティティーが入り混じった大学院です。
非常に刺激的で視野の広がる大学院生活を送ることが出来ます
ここからは私の意見ですが、ICUの大学院は文系ならば非常にお勧めできます。
世界の第一線で研究している方々が指導してくださいますし、教育のプログラム(論文の作成法などもみっちりやります)も大変しっかりしています。
しかし、理科系、とくに実験を必要とする研究をされたいという方には少し慎重になってほしいと思います。
というのも、設備が他の大学院に比べるとかなり見劣りするのです。
ICUはもともとは教育重視の大学のため、「研究に重点的に力を入れる」という姿勢は取っていません。
従って、現在の科学において必要不可欠な、高額な実験道具、設備はICUでは非常に限られているのです。
ですから、もし大学院はICUの理系に進みたいという方はオープンキャンパスや事前のアポで、指導をお願いしたい教員に事前に確認を取りましょう。
そうした中で、自分のやりたいことがICUの院でしかできないというのであればICUの院に進むのもよいでしょう。