リベラルアーツとは?
ICUが標榜する「リベラルアーツ教育」とは一体何なのでしょう。
リベラルアーツは日本語では普通「教養」と訳されますが、本質的な意味合いは変わってきます。
リベラルアーツとは、ものすごく簡単に言えば「文系理系関係なく様々な分野の知識を吸収し、視野の広い考え方を身に付ける」ということです(かなり歪曲していますが理解の第一歩としてこう捉えてください)。
例えばあなたが経済学を専門としたとしましょう。
経済学を学んだということはあなたは世の中の事象を経済学的に、経済学的な視点から考えることが出来ます。
例えば、株価の急上昇の原因をあなたはミクロ経済の視点で見つけることが出来るのです。
しかしもしあなたが経済学と同時に「法学」を学んだならば、そこに法律の視点を入れて推察できるのです。
このようなリベラルアーツの考え方の発祥は古代ギリシャにまでさかのぼります。
初めは「文法」「修辞学」「論理学」という3つだけの学問を柱として学び、徳のある知的「自由人」を作るための教育とされていました。
5~6世紀の帝政ローマの末期になると、「文法」「修辞学」「論理学」の3つに、数学に関わる「算数」「幾何」「天文」「音楽」の4つが加わり、「自由7科」という考え方が定着しました。
これらの文理関係ない7つの学問を学ばせることで「知の奴隷からの解放」、つまり狭い視野を持つ人間(知の奴隷)を開放(視野を広く)してあげるのがリベラルアーツという考え方になりました。
そして現在、その7科以外にも様々な分野が融合していき、現在のような全学問領域を含んでいくようになっています。
このリベラルアーツの教育プログラムを組んでいるの大学で有名なのはどこでしょう。
アメリカではハーバード大学などを含むアメリカのアイビーリーグの大学群が有名です。
これらの大学では学部過程ではリベラルアーツ教育をしており、専門は大学院で学ぶ事が基本とされています。
ICUでの教育プログラムはこのハーバードを見本としているところもあります。
そして日本では東京大学の教養過程。
東京大学に入るとまず2年間は教養課程に在籍し、様々な分野を学びながら3年次からの専門課程に進んでいきます。
日本にはそのほかにもリベラルアーツ(教養)として学部をおいている大学はいくつもありますが、それらはいずれもその大学が持つ他の学部を寄せ集めたものにすぎず、真の意味での「リベラルアーツ」を体現しているのは少ないでしょう。(最近では秋田の国際教養大学がリベラルアーツ大学として勢いを増してきていますが)